香典にも地域性がある?
地域性が強く出るのは葬儀だけに限らず、冠婚葬祭でも地域特有のものが強く出てきます。例えば、葬儀で地域性のあることは葬儀を行う前に火葬を行うところがありますし、香典の方だと、香典を渡すのは葬儀が済んでからと色々な地域性による違いがあります。地元ではなく、遠いところへ弔問のため足を運ぶ際、その地方での風習、マナーを知らないものです。
もしその地方に親戚や友人など親しい人がいた場合、そこでの風習・マナーを教えてもらえますが、それができない場合不安を抱えたまま弔問するということになります。教えてくれる人がいない場合は、弔問に訪れた際、周囲の状況をしっかり観察し、その人達の行儀を覚えて真似をするといいでしょう。そして、香典返しにも地域性が出るとされています。香典返しは「即日返し」「後返し」とあり、「即日返し」とは香典を渡したその日にすぐお返しを渡すことを即日返しと言い、「後返し」は初七日法要が済んだ頃にお返しを送ることをいいます。
どちらが良いというのはないのでこちらが良いと言えませんが、地域によっては即日返しをしているところがあり、珍しくないと言われています。遺族の方は受付係を手伝うこともあり何かと忙しいですが、即日返しをするのであれば、香典を持って来て下さった方にはその場ですぐ香典返しを渡さなければならないので、忙しくとも決して忘れずにお返しをお渡ししましょう。即日返しは普通、渡された香典の金額に関係なく全て同じ品にしてお渡しします。誰からいくら貰ったと確認する前にお返しを用意していますから、香典を持って来て下さった方と交換するような形でその場でお渡しするので、お返しは同じ品にした方が選ぶ時間がかかりません。
即日返しは一つの香典に対し、一つのお返しが渡されるという形になるのです。しかし、即日返しを知らない、後返しが通常の地域で即日返しを行うと、地域性の差もあって、即日返しをされた多くの参列者は訝しみました。そして夫婦で弔問する際、香典が1つの為、通常はお返しも1つです。中には葬儀に関連する知識・マナーをよく知らない人が会葬御礼の品と勘違いした為、「二人で参列されてるので、二つ頂けないでしょうか」と言う場合もあります。知識・マナーをしっかり身に着けておかないと恥をかく場合もあるので、それを防ぐためにも気を付けておきたいところです。
地域により香典の相場が変わる?
仏式葬儀において、香典は故人となった方へ贈る花、お線香の代わりで金銭をお供えしますが、通常は故人となった方との関係、親密さ、年齢によって変わりますが、地域によっても金額は違ってくるといわれています。香典は故人への気持ちで贈るもので、香典という漢字でもわかるように、お線香の代わりですので金額にこだわる必要はないように思えます。ですが、あまりにも金額が少ないと、それは失礼になってしまいます。とはいっても、多く入れすぎれば相手に気を使わせてしまって迷惑になりかねません。
地域によって差があるので、行ったことのない、よく知らない地域の葬儀に参列する時は特に気を付けましょう。香典の相場ですが地域性となると、関東地方から中国地方の地域が全国平均より少し高くなっており、関東~中国以外の地域はあまり変わらない同じ金額が包まれています。全体的な相場の額を見ると明らかに大きい差があるわけではないですが、地域によっては故人となった方が親や親族の場合だと、香典の金額が大きく差が出るところがあります。
全国平均より少し香典を包む金額が高い地域は、親の場合十万円を包むことになっていますが、それ以外の地域で例えば北海道、沖縄といった日本の中心部から離れている地域だと、十万円ではなく、高くても五万円前後となっているのです。親族以外の場合、友人、知人、会社関係の人だと地域性による差は特になく、全国平均の金額と同じ相場で包まれています。どうして親族の場合、香典の金額が地域によって少々違うのかはっきりした理由はわかっていません。ただ、その地域による文化、言い伝えや物価などがその理由に関係あるのかもしれないとも考えられています。その為、自分が住んでいる地域ではない他の地域で参列する際、要注意です。
お香典はお祝い事ではなく悲しい事ですから多ければいいというわけではないですが、地域によってマナーがありますので、失礼のないように心得ておく必要があります。