北海道の香典は領収書が出る?
香典は地域性があり、北海道の香典は「領収書」が出ます。ですから、初めて北海道の葬儀に参列した人は、香典に領収書が出ると知って驚く方が多いです。香典の領収書ですが、香典を受付に持っていくと担当の人がその場で香典の封を開けると中身をチェックすると、例えば「一万円で宜しいですか?」等と金額を確認され、了承すると名前が記入された領収書を発行してもらえます。ただ、書きは当然ながら「香典代」としてです。
北海道では葬儀専用の領収証も売られているので、北海道では香典の領収書を発行するのは常識となっています。参列者は香典袋に、住所・氏名・金額を書いて持っていくので、改めて記帳はしません。それが一般的となっていて、香典返しもほとんど行っておらず、会葬のお礼には300円から1000円程の粗品、例えばお茶や海苔などか、もしくはQUOカード・図書カードなどの金券を贈ります。このような葬儀の特徴は合理的なもので、何があってもお互い様という考えを持つ道民性を表したものと考えられます。
一般人も訃報が掲載される?
半分くらいの道民が読んでいる北海道新聞や地元紙は訃報広告専用のページがある為、北海道では一般の人でも死亡通知が新聞に掲載されるのです。ですから、北海道の新聞を初めて見た他の地域の人は驚くのではないでしょうか。一般人の訃報広告専用のページには、紙面に黒枠で囲われた訃報広告が所狭しと並んでいます。
地方紙ですが、何と50%近く共有される最有力とされる媒体なのです。地元密着型にプラスして部数も多いので、需要が高い地方紙となっているのでしょう。ちなみに、訃報の折込チラシなどもあり、そちらは新聞社に希望すれば入れてもらうことも可能です。
その為不幸があった際は遺族の方が新聞社に希望し、身内が亡くなったことを知らせるために訃報の折り込みチラシを入れてもらうケースも珍しくありません。他には町内放送がかかったり、町内会の回覧で訃報が回ったりすることもあるのです。訃報はたとえ普通の人でも広く皆に知らされるシステムとなっているので、別の地域から北海道へやって来た人は吃驚するかもしれません。
通夜より先に火葬を行うとこもある。
北海道全体ではないのですが、通夜が行われる前に先に火葬を済ませる地域が一部存在します。先に火葬を済ませて遺骨で通夜を済ませ、後日に葬儀や告別式を行います。ですから北海道の一部では「火葬」→「通夜」「葬儀」「告別式」とこのような流れになっていますので、一足遅れてしまうと遺骨になる前に最後のお別れに間に合いません。
昭和9年の函館大火・昭和29年の洞爺丸台風が起こった時、一度に大勢の方が故人となってしまったので僧侶の方が供養するのに間に合いませんでした。その為、火葬を先にするという風習が生まれ、それが定着したという話も考えられています。
接待係や台所係について。
葬儀では色々な役割がありますが、世話役の中には女性ならではの役割といわれる「お世話係」というものがあります。お世話係というのは台所を預かる台所係といった、手をかりたいケースがよくあるのです。葬儀を自宅で行う場合、料理を自分で準備して作るところもありますが葬儀会社で行う場合、台所係は遺族・参列者の方々にお茶を淹れたり、お弁当を用意して配るといった役割となります。
そういった役割だからか、その役割は町内会、中でも特に隣近所などの女性に台所係を頼むケースが多いといわれています。葬儀の風習というのは、昔からのものやマナーが根強く残っているものです。例えて言うと、自宅葬儀で出てくる味噌汁もその風習の特徴的と言えます。何故なら、味噌汁は地域によって入れる具が全く異なる場合がありますから、こちらではいつも飲んでいる味噌汁だから大丈夫と思って用意しても、特に年配者の人に却下されてしまったこともあるのです。
なので、初めて葬儀の手伝いをするからよくわからないといった際は年配の人や目上の人などの意見をきちんと聞いておく必要があります。お茶や料理を食べて頂くのですから、清潔感のある格好で手伝いをするのがマナーとなります。 白い割烹着、またはエプロンを用意し、葬儀の準備に行く際持って行きましょう。エプロンもしくは割烹着姿なら、自分がどういった役割をしているのか、知らない参列者の人にもわかってもらえます。
そしてお茶・茶菓子で参列者を接待する係のことを接待係といいます。通夜ぶるまいという形で、場合によって食事を勧められることもあるのですが、参列者の人はもし勧められた時は断らず、完食しなくてもいいですから少しだけでも頂いていくのがマナーとなります。食事を勧められたからと長居はよくないのでタイミングを見計らい、退出しましょう。退出する時は無言で出ていくのではなく、喪家に一言お悔やみを申し上げてからです。それから接待係の方は参列者にお茶を出せば終わりではなく、片付けも手伝わなければならないので、責任を持ってお手伝いをしましょう。