キリスト教は香典ではない?
仏教では「香典」と呼ばれているものは、キリスト教では「香典」と呼ばれていません。何故ならキリスト教ではお香を供える文化がないのです。なのでキリスト教ではお香典という言葉は存在せず、お香典ではなく弔慰金(ちょういきん)と呼ばれています。
キリスト教式の弔慰金の相場は?
キリスト教の方で、会社関係の場合の弔慰金(仏教でいう香典)はどのくらいか?
上司の場合…5,000円~10,000円を包むのが通常の相場となってますが、もしとてもお世話になっている場合は、10,000円くらい包むのがいいでしょう。
同僚の場合…3,000円くらい。会社や部などは特に連名で出す場合が多いですから、連名で出す際は話し合って金額を決めます。
部下の場合…弔慰金を出す人の年齢・役職で異なりますが、一般的には5,000円~10,000円が相場といえます。
兄弟姉妹の場合…少なくとも30,000円は包みます。特に上限はないのですが、100,000円ぐらいまでを目安にするといいでしょう。
両親の場合…最低でも50,000円は包みます。兄弟姉妹と同様、上限はないですが100,000円を目安にして決めましょう。
祖父母の場合…10,000円が相場となります。しかし自分の年齢・地位が高いのであれば、せめて30,000円は包むことを勧めます。
友人の場合…大抵は5,000円~10,000円が相場となっていますが、仲の良さや年齢によって、30,000円を包むことも少なくありません。
故人となったのがどの方の場合でも、半端な金額にならないよう気を付けて下さい。
仏式以外の香典袋の書き方は?
仏式以外の香典の書き方(表書き)とマナーについてご紹介します。神式・キリスト教式・無宗教式の表書き・連名で出す場合、そのポイントをおさえておくことは大切です。
神式(神道)の場合…仏教と異なる神式は、仏教でいう通夜を「通夜祭」と呼んでいます。宗教自体が違いますから、のし袋の表書きも当然違ってきます。神式の場合、のし袋の表書きは「御榊料(おんさかきりょう)」が通常です。他にも「御玉串料」や「御神饌料(ごしんせんりょう)」も使うことが出来ます。中には「御霊前」を使う場合もあるそうですが、なるべくなら神式用の表書きを使用しましょう。
キリスト教式の場合…キリスト教葬儀となると、蓮模様の型押し・印刷されてある香典袋は仏式用ですから、キリスト教で使用するのは避けた方が賢明です。キリスト教の表書きは「お花料」がよく使われていますが、カトリックだと「御ミサ料」も使用することが出来ます。また、プロテスタントでは「弔慰料(ちょういりょう)」という表書きを使うことも可能です。不祝儀袋は白百合・十字架が描かれた、キリスト教用のものを使います。
コンビニエンスストアでキリスト教用の不祝儀袋が売ってあるところは多いとは言えませんが、文房具屋などでは売られていることが多いので、コンビニにない場合は、文房具屋さんに行って購入しましょう。
ちなみにキリスト教では「御仏前」の表書きは使わないので、それは避けて下さい。それからプロテスタントは「御霊前」という表書きを使うことが出来ませんので要注意です。
無宗教式…無宗教式とは名前の通り、宗旨や宗派にとらわれない葬儀のことをいいます。無宗教式でよく使われる表書きは「御霊前」ですが、無宗教式なので「志」「お花料」「御香資」「御香料」でも使うことが出来ます。
会葬の作法について
宗教によって会葬の作法が異なるので、それぞれの宗教の作法をご紹介します。
神式(神道)の場合…まずは右手に玉串の根元を、そして左手に枝先を取ったら右に回して、根を祭壇に向けて置きます。それから二礼・二拍手・一杯します。拍手する際、音をたてないようにします。
キリスト教の場合…係の人から花を右にして受け取ります。受け取る際は両手で受け取って下さい。花を受け取ったら90度右に回し、花を手前にしたら先に茎を持ち替え、それから献花台に置いて一礼します。
香典についてのあれこれ
それぞれの宗教によって異なる香典の表書き。葬儀・儀式は厳威なもので、信仰の世界と関係もある為、各宗教にあった表書きにしたいものです。各宗教の表書きと、香典をお供えする事についてご紹介します。
神式…「御玉串料(おんたまぐしりょう)」は玉串の代わりとして、金品を故人の祭壇にお供えします。
「御榊料(おんさかきりょう)」は榊の代わりに祭壇へ金品をお供えします。
「御神前(ごしんぜん)」は神様の前に金品を供えると言われています。
「御霊前」は金品を霊前に供えます。
キリスト教の場合…「御花料(おはなりょう)」は花の代わりとして故人の祭壇に金品をお供えます。
「御弥撒料(おみさりょう)」カトリックでミサのお礼とされます。