香典で見落としてしまいがちな点がある。
法事を行う時は家族・親族などの故人と最も近い人たちが集まります。通夜・葬儀の時のように、遺族が知らない故人の関係者が集まるのとは違い、法事は身内が集まる行事といってもいいでしょう。人がいっぱい集まって行われるスケールの大きい葬儀は小さい失敗であれば気づかれにくいでしょうし、咎められないかもしれません。
しかし、人数が少なく身内だけで集まって行う法事となると、小さい失敗やマナー違反が目立ってしまい、居たたまれなくなります。身内ばかりが集まってる場所で失敗をするのは今後の付き合いに影響しかねないので、どんな小さな失敗も避けたいところです。香典となると、特にお金に関わることですから、うっかりしたミスでトラブルに繋がる場合もあります。
トラブルにならない為にも、せめて香典のマナーだけでもしっかりしておきたいところです。とはいえ、大人になってからこういった行事にあまり参加してなくてよくわからず困惑してしまう方も少なくないでしょう。香典に関するマナーがよくわからず困惑しているという方にもぴったりな、見落としてしまいがちな香典のマナーに関してご紹介します。
表書きは薄墨で書く。
不祝儀の表書きは薄墨で書くのがマナーであり、法事の香典でも同じように薄墨で執筆するのがマナーとなりますから、薄墨の筆ペンを用意しましょう。何故黒い墨でなく薄い墨なのか、それは黒い墨で書くのは祝い事などの時に使用するものだからです。なので決して間違って黒い墨で書かないようにし、薄い墨で書いて下さい。ちなみに文字の大きさですが、祝い事の時は大きく文字を書きますが、仏事ですから逆に小さく、細い字で書きましょう。
金額に合わせて不祝儀袋を選ぶ。
不祝儀袋にお金を入れますが、不祝儀袋は何でもいいわけではありません。包む金額に合わせて不祝儀袋を選ぶのもマナーの一つです。例えば、包む金額が5,000円くらいまでなら、水引が印刷してある封筒タイプの不祝儀袋にします。
そして10,000円を超える金額になるのであれば、ちゃんと水引がついているタイプの不祝儀袋を選びましょう。中には、5,000円でも水引がきちんとついている方がいいんじゃ…と言われる方もいますが、金額に見合わない立派な不祝儀袋を使うと、かえって恥ずかしい思いをしますから、不祝儀袋選びも大切です。
宗派に合わせた表書きにする。
香典の表書きは宗派によって書く言葉は異なる為、表書きにも気をつけます。もし相手側が仏式なら「御佛前」「御仏前」と書き、キリスト教式なら百合・十字架が描かれた封筒を使い、表書きは「御花料」と書きます。神式は「玉串料」「御神前」と記入しましょう。ちなみに神式・キリスト教式用の不祝儀袋は入手しにくいものですから、宗派に合わせた不祝儀袋を用意出来るようにしておきましょう。
新札以外を入れる。
通夜・葬儀と同じく、新札を使う行為は不幸が起きるのを用意してあったと不吉な意味となる為、新札を避けるのが一般的なマナーとなっています。その為、法事の香典でも新札は避け、使い古されたお札にしましょう。新札しかない…という場合は仕方ないので、折り目をつけて入れれば問題はありません。トラブルを回避する為にも、入れるお札に気を付けることが大切です。
金額は相談して決める。
香典の金額は最も悩むところと言えるでしょう。あまり悩まない為にも、故人との関係、送る側の年齢で基本的な目安はありますが、一番大事なのは気持ちです。しかしそうはいっても、他の人より金額が少なかったり、多すぎてしまうとトラブルに発展する場合もありますから、身内や親しい人に相談して金額を決めるのも一つの方法です。身内や親しい人に相談してからなら、トラブルを避けやすいでしょう。
中袋にも必要事項を記入しておく。
自分の氏名を不祝儀袋の表書きで書きますが、身内だけで集まる法事でも中袋に必要事項を記入するのがマナーです。表の袋、中袋を管理するのが時に違う人の場合もあるらしいので、中袋にも必要事項となる名前・住所・金額を記入しておかないとトラブルを招くこともあるので、中袋にも必要事項はしっかり書いておく必要があります。親しい仲でもマナーはちゃんとしておきましょう。
欠席する際は現金書留で送る。
法事に声をかけられたのに、仕事などどうしても参加できない時は、忙しくても返事を書くのがマナーです。例えば、三回忌までの法事の場合、喪主に返事をした後、法事を行うちょっと前に現金書類に入れた香典が届くように送ります。直接渡す時と同様に不祝儀袋に入れて表書きを書いて、中袋もしっかり記入します。記入し忘れてないところがないか確認し、不祝儀袋を現金書類の封筒に入れましょう。三回忌以降なら送るのは供花や香にします。