福島の香典について
福島で香典を頂いた家がありましたら、常に新聞などでその家の人の名前が訃報欄で載ってないかチェックしておき、もしその家の人に不幸があって新聞で訃報が載っていた時は遺族から知らせが来なくても、香典のお返しをします。しかしあくまでも気持ちなので、持参しても受け取ってもらえなかったら持ち帰りましょう。新盆の香典の相場はいわき市辺りなら3000円が相場となっており、地域によって異なる場合があるので、心配ならその地域で相場を知っている人に聞くのが無難です。
福島にも「前火葬」「後火葬」がある?
福島県にも通夜の翌日に火葬をし、火葬が済んだ次に葬儀が行われる「前火葬」と、通夜や葬儀が済んでから火葬が行われる「後火葬」と二分されている地域があります。全国で5本の指に入る程の広さを持っている福島は、江戸時代の頃には10以上の国(藩)に分かれていました。そういった事から、同じ福島でも地域によって風習が異なるところがあるのです。いわき市は後火葬の地域となりますが、いわき市は江戸時代に「幕府直轄」となった地域もあるので、火葬の順番が異なるという県内での違いがある特徴を作った一因と考えられます。
出棺について
福島の一部の地域で玄関の脇に仮門を作り、その仮門をくぐって出棺するといった風習が今でも残っているところがあります。竹などの材料を弓状のように曲げたものを仮門と言います。ちなみに出棺した後は仮門をすぐに処分します。
仮門の意味は冥土の入り口となっていて、それを壊せば死者の魂がもし戻ってきても、入口がない為この世に帰ることが出来ないとされているので、出棺したらすぐに仮門を処分するのです。それから農村部では仮門を燃やす「門火(かどび)」を行うところもあります。お盆の送り火のように、魂があの世へ迷わず行けるようにといった意味があると言われています。
通夜振舞いで接待しない?
福島でも、近隣組織の「隣組」「念仏講」等に属している家が通夜・葬儀を行う際、喪家の手伝いをしてくれます。福島の一部地域だと、中には参列者の接待を遺族はしない、と考えているとことがあるので、そういったところでは参列者の接待を隣組・関係者がします。葬儀の時欠かせないと言われている「隣組」は地域の最も大事な仕事と考えられており、職場の仕事より葬儀を優先させるのが当たり前と考えている地域もあるのです。葬儀社に依頼する際、全て葬儀社に任せるのではなく、隣組の代表とも打ち合わせをするようになっています。
葬式等でよく使用する葬儀用語について
粗供養(そくよう):葬儀に参列してくださった方に直接渡すお礼の品をそう言います。粗供養の他には「会葬返礼品」とも言われています。お礼の品を渡す際、会葬御礼状・清めの塩も一緒に渡すようにしています。
供花(きょうか)供物(くもつ)祭壇(さいだん):仏の前にお供えする花が供花、果物・菓子・餅などが供物と言われています。そしてその供花・生花・供物・香炉・線香が置かれる台が祭壇です。
位牌(いはい)戒名(かいみょう)棺・柩(ひつぎ):死者の戒名を書いた木札のことを位牌と言います。ちなみに木札に書く戒名は、今は死者の生涯を文字で表現するようになりました。棺・柩は読み方が同じですが、実は意味が異なります。棺は遺体が入れられる木の箱のことを言い、棺に遺体が入っている状態を柩と言うのです。
遺骨(いこつ)焼骨(しょうこつ)荼毘(だび):遺骨・焼骨は火葬し、焼いた骨のことをそう言います。遺骨は箸渡しを行ってから骨壷へ納められ、これは骨上げと言われています。荼毘とは火葬することで、言葉を使う際「荼毘に付す」と使用します。
忌中(きちゅう)忌明け(きあけ)忌中札(きちゅうふだ)喪中(もちゅう)喪主(もしゅ)喪家(そうけ):忌中とは、故人の亡くなった日から四十九日までの期間を忌中といって、四十九日法要をもって忌明けとなるのです。忌中の時は、玄関に忌中札(忌中と書いた札)を忘れずに貼っておきます。喪中は名前の通り喪に服している期間のことであり、その期間は一年間とされています。喪家は故人の家族をまとめて喪家と言い、遺族の代表は喪主をいいます。
合掌(がっしょう)納棺(のうかん)出棺(出棺)納骨(のうこつ):合掌は漢字の通り、両手を合わせ拝むことを合掌と呼びます。合掌は仏教式の葬儀・法要で絶対に行います。納骨は遺体を棺に納める事をそう呼んでおり、柩が火葬場に向けて出立する事を出棺と言われています。納骨は名前でわかる通り、遺骨を墓・納骨堂に納めることで、骨壷に遺骨を入れた後、すぐに墓に入れずに自宅に一度安置するのです。自宅に一度安置して納骨しますが、四十九日法要が済んだ後に納骨する場合が増えているとされています。
弔辞(ちょうじ)弔電(ちょうでん)弔問(ちょうもん):遺族に対するお悔やみの言葉をそう言います。弔辞は故人が生前に親しくしていた人が故人の人柄、故人との思い出に関して、それを葬儀の時読み上げる言葉を弔辞と言います。遺族の元へ訪問し、お悔やみを伝える事を弔問といい、お悔みの電報を送ることを弔電と呼んでいます。