「白ぶかし」とは?
全国の各地で通夜を行う時、おこわを食べる習慣があり、北海道などでは黒豆が混ざったおこわですが、宮城だともち米をふかした「白ササゲ豆」を混ぜた「白ぶかし」が出されています。ちなみに白ササゲ豆とは小豆の一種です。何故おこわを通夜の夜に食べるかといいますと、みんなで力をつけ、故人を旅立たせて埋葬するといった意味があります。昔は土葬だったので、今よりも重労働でした。ですから、力が付くようにと意味を込めておこわを用意して食べていた習慣が今でも残っているのでしょう。
宮城の香典について
大人なので別々に住んでいる身内の葬儀で、身内の1人がどうしても出席出来ず香典の代理を頼まれた場合、自分と出席できない身内の人の分を別にして包んでいきましょう。香典を出す人が故人の親の場合、3万円から5万円くらい、兄弟姉妹なら最低でも1万円は包みます。常識的に考えて身内で1万円以下はありえないので、身内の葬儀で包む金額には気を付けます。
宮城には近隣組織「契約講」がまだある?
近隣組織「契約講」は都市部を主に以前ほど見られなくなりました。しかし、宮城県の郊外等にまだ残っているところがあるのです。そして宮城県で「契約講」の他に「講中」とも呼ばれており、10件くらいの家が一単位となり、通夜・葬儀の際に喪家を手伝うようになっています。
生花祭壇作りもプロの仕事
葬儀に使用される祭壇は、白木祭壇と生花祭壇に大別可能です。近頃だと生花祭壇を使用するところが増加しており、祭壇作りもプロが活躍しています。生花祭壇作りの際、言わずもがな主役は花となっており、そして主役の花を引き立てる、言わば脇役として必須な役割となるのが「緑」です。
代表的ともいえる存在ヤシ科で「常緑低木のロベ」が、祭壇の土台が出来た時点で、花の脇役である常緑低木のロベを配置します。脇役の配置が済んだら、そこから主役の出番となり、用意した花を綺麗に配置し、デザインの中心となる模様を作るのです。デザインを広げるようにして花の数を増やしていき、1本ずつ丁寧に綺麗に挿していき、ここでポイントとなるのは、花を一定の方向に揃えることなので、方向を間違えないように挿していきます。
それから左右対称となるラインの花は同様の本数になる為、左に対し、対称となる右の花を丁寧に挿していくと、綺麗なラインが作れます。花を挿していき、途中で椅子に座って参列者の目線となり、祭壇のバランスにどこか崩れはないかよく確認します。作業が全て済んでからも、参列者の目線だけでなく、横からや斜めから見たりと色々な角度からチェックし、曲線や高さもしっかりチェックします。
ちなみに生花祭壇作りのプロとなるには、「花の向きについての知識」「品質の判断」「花を挿す技術」「デザイン力」「祭壇設営の技術」など、これらを全て身につけることですが、それには5年かかるとされているのです。生花祭壇は色々な模様が描かれており、曲線がポイントになります。生花祭壇のポイントなる曲線を綺麗に出す為には、花の高さ・向き・色のバランスに注意して作ります。そうして作業をしながら祭壇全体に立体感を出し、そこがプロの技の見せ所と言えるでしょう。
生花祭壇の仕上げとなるのは飾りつけです。最後に飾りつけを済ませれば、祭壇作りは完成となります。生花祭壇に使用された花は一体どうするのか気にする人もいるでしょうが、祭壇に使用された花は一般の参列者に配ったりして持ち帰ってもらうという場合が多く、そのまま処分されることはないのです。
一般的に生花祭壇は高いというイメージを持たれる人が多いですが、現在ではリーズナブルな価格で生花祭壇を作ってくれる葬儀社が増えているので、比較して金額を見極めましょう。また、祭壇の中に参列者から頂いた供花を挿すことによって喪家の負担を少しでも軽くしてくれる葬儀社もあります。このように生花祭壇をリーズナブルに提供できるようにしている葬儀社が、今後増加する可能性はないとは言えません。
生花祭壇作りについて特に決められている事はないですが、生花祭壇の魅力は自由にデザインできるところと言えるでしょう。ですから、故人の好きだった花と自由にアレンジすることが可能です。中でも、菊と洋花の組み合わせが多いと言われていますが、必ずそのような感じにしないといけないわけではないので、あまり気にしないように決めましょう。中には自由といっても、花の種類もプロに全てお任せするというところもありますから、プロたちは新たな作品を生み出す創作意欲・エネルギーが常に求められているのです。遺族の様々な思いを形にしていくことがプロの仕事なので、遺族の要望にしっかり応えられるよう、形にしていくことが大切といえます。