お香典泥棒がいる?
香典に関するトラブルで「香典泥棒」という者がいます。香典泥棒とは、例を挙げて言いますと、喪服を着用して珠数を持ち、参列者と同じ格好で紛れ込み、いかにも参列者という格好でなりすまし、隙をついて香典を持ち去るのです。葬儀を行う際、遺族は受付を葬儀業者、親族などに任せることが多い為、参列者の顔と氏名を全て遺族の関係者かどうか判断出来ないので、香典泥棒はそこをついてきます。
香典を盗むタイミングは?
香典泥棒が動くのは葬儀も終わりかけてきた頃で、香典泥棒は受付にやって来て、「ご家族の方がお探しになっていますよ」等と、不自然に思われない方法で声をかけ、受付にいる人をその場から離れさせ、それから香典を持ち去ってしまうという手口をよく使います。社葬の場合は、同じ社員だとしてもお互い顔を知らないケースも珍しくないので、香典泥棒から香典を守るためにも、受付係以外の人物に手伝ってもらわないようにしましょう。香典は場合によって大金(例えば数百万)が集まることもあるので、お金が集まるところ程香典泥棒が出現しやすいですから、大金が集まる場合程厳重注意して下さい。
自分が疑われることもある?
香典は気を付けて扱わなければ、ミスをしてしまうと香典帳を記帳する時、貰った香典の合計金額と現金とズレてしまい、自分が疑われてしまうトラブルもある為要注意です。例えば、上包みから中包みを出す時に記帳するのをうっかり忘れた事で、頂いた香典の金額が不明になってしまったり、お香典を渡した参列者の方が香典袋にお金を入れ忘れていた事に気づいていなかったり等で、貰った香典の金額に矛盾が生じてしまいます。
こういったトラブルを避けるためにも、香典を預かり、開ける時には必ず二人以上で香典袋を開けるようにし、中に入っている金額が表書きの金額とちゃんと合っているかしっかり確認して記帳します。もしチェックした時にお金が入っていない、表書きの金額と合っていないという事があった際は、その事を必ず書いて、書き忘れないようにして下さい。それと、受付で香典の話(誰がこのくらいの金額を包んだ等)をして、その話を参列者に聞かれて後々トラブルになる場合もあるので、言動にも注意しましょう。
他に気を付けるべき部分は?
泥棒を少しでも防止するためにも、葬儀前・葬儀中に気を付けることも大切です。泥棒の一部では、葬儀前・葬儀中に警官の格好をした者が現れ、周辺のパトロールをすると言ってくることもあります。しかし、本物の警察はそんな連絡はしないですし、葬儀だからとその周辺をパトロールするといったことは行っていないとされています。
何故警官のふりをして現れるのか?それは葬儀で留守にしている家を確認して、空き巣に入る為の事前調査というところでしょう。ですから、葬儀等で留守にする時は貴重品や通帳・印鑑など盗まれると大変なものは厳重に保管して、現金などは銀行などに預けるのがお勧めです。もしくは、留守だということを悟られない為に、テレビもしくはラジオをつけ、雨天などで部屋が暗くなる場合は部屋の電気もつけるなど工夫をします。
他には通夜まで日数がある時、泥棒が故人の枕元へ訪れ、お線香をあげさせてほしいと言い、まるで本当に交流があったような振る舞いをして遺族に不審に思われず、うまく枕机にあるお香典を取る「葬儀前香典泥棒」という泥棒もいます。
その為、葬儀前にもらった香典は、香典を下さった方が帰られる度に中のお金を出し、大事に保管する等気を付けましょう。通夜・告別式が終わった後にも同様の手口があるので、通夜と式が済んだ後も注意が必要です。遺族の方が全く知らない人を安易に家にあげないことが最善と言えるでしょう。
お香典返しも注意が必要?
「お香典返しの営業」というものがありますが、その中にはあまり聞いたことがない割引率の高い会社があります。しかし、割引の高さにつられて頼むのはとても危険と言えます。香典会社関連のトラブルでは香典返しの品を頼んだ後、代金を支払ったのにも関わらず商品が発送されず、届かないということもあるのです。
「香典返し、届きましたでしょうか?」と贈った相手に聞く人が少ないことから、悪用することがあるようです。
香典返しの会社に詳しくないし、周りに詳しい人がいない場合、知り合いにデパートなどに務めている方がいれば、知り合いのところで頼むのが安全と言えるでしょう。または、葬儀会社の方にいいところがないか相談するのもいいと言えます。もしくは自らデパートへ行って注文することが一番確実でしょう。